2025年のふりかえり
2026年01月04日

完全にふりかえり専用ブログとなっている上に大遅刻ですが、2025年の記録です(約6600文字)。直近1月中に決算対応とか納期とか展示会とかやらないといけないことがたくさんあってそれどころじゃない感じなのですが、昨年はだいぶ情報量の多い年だったので、書き残しておかなければということで。最近だとAIという読み手もいますしね。言語化してWebに放流することで認知してもらわないと。
とりあえず3年生き延びました
株式会社フレームシンセシスを設立して2025年12月で4期目に突入しました。会社を作るときに3年生き延びられれば指を差されないだろうと考えていたのですが、とりあえず達成でしょうか。相変わらず受託開発メインですが、VRまたはVR周辺領域の案件が100%で、ここまで3期黒字となっています(4期目は正直どうなるか分からない)。たくさんの方々に支えられています。ありがたいことです。
そして、2013年にOculus Rift DK1を購入してVR開発を始めてから3年ごとに大きな変化があるのですが、今回も例に漏れずだったようで……。
吉祥寺にオフィスを借りました
これまで箱崎インキュベーションセンターに法人登記して自宅で仕事をしていたのですが、吉祥寺駅北徒歩10分の場所に面白い物件が見つかり、だいぶ考えた末入居・本社移転をすることにしました。
一番大きな理由としては、2025年はルームスケール・マルチプレイヤーのVRの仕事をいくつか並行してやっていたのですが、自宅で開発するのがとても大変だったというのがあります。自室で開発・動作チェックして現場に持っていくとトラッキング位置がおかしいといったことが頻発し……新オフィスでは5×5メートルの何もないスペースを確保しており、これを可能な限り維持する構えです。
写真は2026年1月4日現在の様子。

ほかにもいろんな思惑があるのですが、簡単に言えば2026年はフィジカルの年になりそうだなあと。吉祥寺に累計7年住んでいて愛着もあるので、地域との連携の取り組みもやっていきたいです。
当然ながら家賃が出ていくのでそのぶん稼がないといけません。さらに12月から正社員が加わり、自分を含めコアメンバー2名とサポート2名という体制になってまして開発リソースの都合がしやすくなっています。お仕事のご相談お待ちしてます。
オフィスには「吉祥寺空間ラボ」という拠点名をつけました。VRに限らず、物理的な空間があることによってできることを何でもやっていきたいです。
お仕事が大変だった
昨年は仕事がめちゃくちゃ大変でした。僕個人が完全にキャパオーバーになり、正直いろいろと失敗をしてしまいました。一時期は平日も土日も16時間仕事をしていたのですが、イレギュラーにまったく対応できないし、精神的余裕も外との交流もインプットもなくなるしでやめたほうがいいです(ほんとに)。
端的に言えば、後述するコーディングエージェントのトレンドを前に人を入れることに大きな躊躇いを感じ、ぎりぎりまで少ないリソースで何とかしようとしていたのですが、結論としては無理だったという感じですね。余談ですが、なのでこれからはソロプレナーだみたいな話を僕はあまり信じてないです。
Unityのプロジェクトを4つ、Next.jsのプロジェクトを2つ複製してMaxプランのClaude Codeを並列で延々ぶん回し続けるようなことをしばらくやっていたのですが、一度そういうことをして何が起きるか肌感覚で分かったのは有益だったと思っています。一つには、同じ時間で10倍の規模のものが作れるのですが、別途QAに10倍以上の時間がかかります(それはそう)。とりわけVRの動作検証は人間がヘッドセットかぶらないとどうしようもないところが多く、全然効率化していないという罠が……。逆に次からはそこに工数を積むとか工夫すればなんとかなりそう。
現在体制の立て直しを進めていて、自分は特に重要度の高いプロジェクトとPM、営業、R&Dに専念しつつ、個別案件はできるだけメンバーに任せるようにしてスケールアウトしていければと考えています(理想)。
ヴェネツィア国際映画祭に行きました
ゆはらかずきさんのXRアニメーション作品「First Virtual Suit」のMeta Quest 6台マルチプレイヤーの再生システムとインタラクションを開発し、第82回ヴェネツィア国際映画祭に上映のために同行させていただきました。

そもそも前提として映画祭というイベントをよく知らなかったのですが、作品を競い合うコンペティションの機能、作品を売買するマーケットの機能、関係者同士仕事の話をするネットワーキングの機能、それにお祭りの機能があって我々にとってのXR Kaigiにほぼ相当という感じがしました(移動中の船でたまたま雑談した方がギレルモ・デル・トロの関係者とか名乗ってたけど本当なのかな……)。

そして、世界各地の映画祭にXR部門があり、ヴェネツィア国際映画祭のVenice Immersiveは特に歴史があるようです。そもそもこうした映像作品・文化としてのXRの世界があることをわりと最近まで知らず、自分に教えてくださって、一緒に仕事させてくださっているCinemaLeap社の皆様には感謝しかないです。
2週間ちょっとの滞在だったのですが、せっかくなのでということで後半はパートナーのゆうこさんが合流し、新婚旅行モードになりました。これだけ長く海外に滞在したのは初めてだったので楽しかったです(ただし円安はやばい)。

旅レポとかいいかもしれないけどまた今度。誤解を恐れずに言ってしまえば、ヴェネツィア全体がディズニーシーをすごくした感じの観光地で、しかもどこまで行っても途切れません。

ゴンドラにも乗りました。

ちなみに空港で飛行機から降りるときに客室乗務員の「アリヴェデルチ(さようなら)」という挨拶を初めて生で聴いて、こういう場面で使うのか……! と感動しました。カジュアルな場面ではだいたい「チャオ」ですね。あと乗ってるバスが停留所を行き過ぎたときに乗客が「フェルマータ!」と叫んで、イタリア語の音楽用語がここでは日常語なんだなあと。
ところで自分的にはヴェネツィアの再現といえばアサシンクリードIIだったのですが、ノーベルチョコさんがVRChatのフォトグラメトリワールドを制作されていたのを帰国してから思い出しました。VRChatに入れる方は訪問してみるといいと思います。
Godot Foundationの方々と交流した
オープンソースのゲームエンジンGodotの勉強会Godot Meetup Tokyoを日本のユーザーグループであるGodot Japanのメンバーとして開催しているのですが、プロジェクトを統括しているGodot FoundationのEmiさん、Clayさん、W4 Games社のDarinさんがCEDECとBitSummitのために来日されるとのことで、7月のGodot Meetup Tokyo Vol.5にお越しいただいて、交流その他突っ込んだ話をさせていただきました。


せっかくなので国内メディアのインタビューをと打診したところ快諾いただいて、ゲームメーカーズさんで記事にしていただいています。
- 「Godotは日本でどのくらい人気?」 来日したGodot Foundation&W4 Gamesのメンバーにインタビュー
- エンジン開発のコアメンバーが感じる「Godotの魅力」とは。Godot Foundation × W4 Games × 日本コミュニティで座談会を開いてみた
2026年も変わらずGodotのコミュニティ支援活動を継続していければと思います。直近ではGodot Meetup Tokyo Vol.6の準備ですね。また会社としても一部Godotを実際のプロジェクトで使用していく可能性があり、社内勉強会など始めています。
ただ、UE5やWebXRもやる可能性が出てきて結局全部触るのか、という気持ちになってます。VR何でも屋さんなので仕方ないね……。
エージェント元年
1月にこの投稿してるのなかなかだと思いませんか(自画自賛)。
もともと2024年後半あたりからClaude 3.5 Sonnetが結構動くコードを出力することで話題になっていたのを見て自分も使っていたんですが、CursorやCline、Devinが盛り上がって、2025年の1Q~2Qあたりで一気に火がついた感じだったと思います。主にウェブ開発方面のトレンドだったので、ゲーム・XR方面の方々がこの動向に気づいていないかもしれないと気にかけて3月のXR開発者集会 春の大LT大会でこんな発表をしたところ、結構な方に見ていただいた感じです。
その後はClaude Codeをメインで使いつつ、年の後半からは仕事が忙しくなりすぎてキャッチアップできなくなったのと、もうみんな使ってるのでいいかなと言及しなくなってしまいましたが、年の瀬にClaude Opus 4.5という爆弾が降ってきましたね。動きのキレがこれまでとまた明らかに違うので使っていて真顔になっています。2024年はSonnet 3.5、2025年はOpus 4.5で、止まる気配がないので今年や来年どうなるか外挿すると怖くないですか。バイブコーディングという言葉を生み出したKarpathy氏も年末にこんなコメントしてるけど完全に同感。また光景が一変するのかなあと。
事実婚&結婚パーティーをした
パートナーの近藤佑子さんとつきあって5周年ということで結婚(事実婚)しました。末永く楽しく面白く暮らしていきたいです。

せっかくなので自分たちで手作りの結婚パーティーをしようということで、ゆうこりんフェスというイベントを9月に吉祥寺のライブハウスSTAR PINE’S CAFEで開催しました(イベントのXハッシュタグ投稿)。お越しくださった皆様、ありがとうございました!(会場キャパがありお誘いできなかった方ごめんなさい……)


僕が仕事でほぼ身動き取れなかったので準備の7割くらいはゆうこさんがしてくれたのですが、基調講演とか作曲・演奏・打ち込みとかしました。
当日はオリジナル曲を2人で歌ったのですが、裏話があり、もともとゆうこさんがSunoで曲を作っていたのですが、変な話、あまりにクオリティが高すぎて、これは自分たちの結婚パーティーで歌う自分たちの曲ではないと感じて急遽別の曲をゼロから作ったという事情があったりします(配布した冊子と歌詞が違うのはそのせい)。直前に、しかも10年ぶりくらいの作曲でしたがギリ形になってよかったです。Studio One+Synthesizer Vで打ち込んだのですが、Synthesizer V、ベタ打ちでいい感じに歌ってくれるのですごいですね……。もう何日かあればきちんとアレンジやミックスしたけど手作り感あるのでこれはこれで!
生成AIについてはいろんな考えや立場があると思うのですが、個人的には一つ使用基準を考えていて、たとえばゲームを制作してどこかのイベントで展示したとして、「これグラフィックいいですね」「BGMいいですね」と言われたときに「あ、そこはAIで作ってます」と言えるかどうか、堂々と言えるなら全然使っていいし、躊躇を感じるのであれば使わないほうがいいんじゃないかなと考えています。当然その領域や程度は人や状況によって異なるでしょう。これはAsset Storeのアセットとかフリー素材とかでも同様かなと。プログラム(コーディング)については肯定的な方が多い感じがしますが、そこもやはり人それぞれだと思います。
サメパーティー
IKEAのサメにシャーくんと名付けて可愛がっているのですが(Xのアカウントもあるよ)、IKEAのサメ愛好家の皆様にニセコのサメパーティーに招待いただいて参加してきました。皆さんとても優しくサメ愛に満ちていて楽しかったです。
サメパーティー会場はPS5のゴースト・オブ・ヨウテイの聖地、羊蹄山の近くでした。現地に移動しているときにもっと近くを通ったのですが(残念ながら写真を撮るのに失敗)とても荘厳で、これを見てゲームの舞台にしたというのが分かるような気がしました。

自分探しの旅(?)
「こりん」と名前のつくお店を訪ねるのを趣味にしているのですが、今年はたくさん行きました。
豊橋駅構内の「おにぎり屋 こりん」。

米粉のお菓子屋さん「のぶKorin」。

「かふぇこりん」。数量限定の「こりんランチ」があります。ここでお店の名前の由来を尋ねて、次の「こりん」という鈴のことを教えていただきました(RPGみたい)。

金沢の小泉屋で購入した「こりん」という鈴の根付。

何度か行ってる高円寺の鉄板焼き「こりん屋」。

築地のパンケーキの店「コリント」。Unity公式カンファレンスU/Day Tokyoのときに立ち寄りました。


そして札幌の「俺のゆうこりん」。サメパーティーに向かう前に見つけてこれは何としても行かなければとなって、予約に5人必要だったので急遽有志を募り、北海道のXR・インディーゲーム関係の方々との交流会に。ありがとうございました!

その他
身も蓋もない話、XRのお仕事全体的にだいぶ大変な感じがしますね……ゲーム業界もIT業界全体もどうなるか分からない感じで、こんな情勢下、(考えてのこととはいえ)オフィスを借りたり人を増やしたりと踏み込んでしまったのでどうなるかどきどきしてます。さらにPC価格高騰やら台湾情勢やら(TMSCとかHTCさんとかあるので万一有事になったら本気で困ってしまう)何がどうなるか分かりませんが、なんとか生き残っていきたいです。
他には日本XRセンター代表の小林さんのお声がけで、香港にSandbox VRの見学に行きました。世界的に成功している施設型VR(英語ではLBE=Location-based Entertainmentと呼ぶことが多いです)なので絶対に見ておいたほうがいいとのことで、早朝の便で香港に飛んで1時間半かけて施設につき、4つのコンテンツを体験してその日のうちに羽田に戻ってくるという弾丸行でした。体験した感想としては、たしかにこれは売れるなと留保なしに信じられる完成度の高さで、これも詳細レポートとか書くべきだったなと……。
それから、ここしばらく開発していたプロジェクトの一つが1月8日(木)から10日(土)に東京ビッグサイトで開催されるTOKYO DIGICONXでお披露目予定です。参加される方はぜひブースにお越しいただけると嬉しいです。
あと東京大学先端科学技術研究センター 稲見・門内研究室に学術専門職員として所属して週一で出勤していましたが、12月で任期満了となり連携研究員という立場になっています。本業のほうに集中という感じですね。
2026年の抱負は豊富にあるのですが、ひとまず今期からは株式会社フレームシンセシスのセカンドシーズンということで、開発会社から一歩踏み出して事業をやっていきたいなと思っています。新オフィス「吉祥寺空間ラボ」を、バーチャルリアリティを日常に普及させるための拠点にしていきたいです。
昨年やり残したことも含めて、やりたいことが山程あります。営業っぽく締めてしまいますが、XR周辺領域で何かご一緒できそうなこと、何かお力になれそうなことがあれば気軽にお声がけください。どうぞよろしくお願いいたします。
(書いた人: korinVR )
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